エネルギー編 受験の基礎知識

(1)LPガスとは?

(2)LPガスをご利用にあたっての注意事項

(1)LPガスとは?

LPガスとは?

「LPG」「プロパンガス」と呼ばれているLPガス。正式にはLiquefied(液化された)Petroleum (石油)Gas(ガス)という名称です。LPガスは、石油ガスに圧力をかけて、液化させた状態でLPガス容器(ボンベ)に入れてみなさんのご家庭に運ばれています。


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LPガス容器(ボンベ)について

LPガスのボンベ(容器)の中は液体です。LPガスは圧縮し液化されて貯蔵・輸送されます。液体から気体になるときは、体積は約250倍にもなります。
 なお、日本では法律(高圧ガス法)で高圧ガスのボンベ(容器)の色は、ガスの種類により決められています。酸素ガス・黒色、炭酸ガス・緑色、塩素ガス・黄色、水素ガス・赤色、アンモニアガス・白色、アセチレンガス・褐色(茶色)、それ以外のガスはネズミ色(灰色)またはその他の色となっています。表示内容も決まっているので、色を塗り変えたり、表示内容を書き換えることは法律違反となります。

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都市ガスとの違い

・重さ
 気化したLPガスは、空気の約1.5倍の重さがあります。空気より重いので、もれると低いところ、ものかげなどにたまります。LPガス自体は無色無臭ですが、もれた時わかるようにタマネギが腐ったようなニオイをつけています。天然ガスを主成分とする都市ガスは、逆に空気より軽い気体です。
・熱量(カロリー)
 気体のプロパン1m3を燃やすと99MJ(24,000Kcal)、ブタン1m3は128MJ(31,000Kcal)の熱量を発生します。また、重量1kg当たりではプロパン、ブタンともに50MJ(12,000Kcal)の発熱量があります。 これに対して都市ガスは46MJ(11,000Kcal)です。1m3あたりの熱量を比較すると気体のプロパンは都市ガスより約2.2倍の熱量があります。  LPガスは都市ガスに比べて約2.18倍高く、単位体積量当たりの発熱量はLPガスのほうが優れています。同じ料理を作る場合、LPガスの消費量は少なくてすみます。また、都市ガスの熱量を調整するため、原料にLPガスが利用されています。

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 家庭用LPガスには、一酸化炭素(CO)は含まれていません。過去に都市ガス事故報道の一部で、都市ガス原料のLPガスに人体に有害な一酸化炭素(CO)が含まれているかのような表現がありました。LPガスはプロパン、ブタンなどを主成分とする炭化水素で(HC)で、一酸化炭素(CO)は含まれていません。また、その成分と品質は法律により規定されています。

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 LPガスは無毒です。LPガスは人体に害を与えるような毒性はありません。ただし、LPガスを吸引しても人体に害はありませんが、LPガスには軽い麻酔性があります。大量の吸引は酸欠状態を引き起こし脳の機能をマヒさせ、最悪の場合は死に至る危険がありますので、絶対に吸引してはいけません。

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LPガスはクリーンエネルギー

(財)日本エネルギー経済研究所の調査によると、石油等の採掘から消費に至る全体的な視点から見た場合、地球の温暖化を招くCO2の排出量は、都市ガス・石炭・石油・LPガスの化石燃料の中で、LPガス(プロパンガス)が一番少なく、一酸化硫黄(SO)、一酸化窒素(NO)の発生率も低い、クリーンなエネルギーであることがわかっています。また、人体への影響を見た場合、LPガスには有害な一酸化炭素(CO)が含まれていないため、万が一吸ってしまっても一酸化炭素中毒により死亡することはありません。

<注意>だたしガスを使用中に換気不足で不完全燃焼を起こすとCOを発生します。換気は十分に行いましょう。

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LPガスは災害に強い!

 LPガスは、基本的に個別供給なので、災害が起きたときでも、それぞれの家庭で配管設備を修復するだけですみます。東日本大震災の被災地では、水道、電気、都市ガス、石油製品などの供給再開に相当の日数を必要としましたが、LPガスは、わずか数日で供給の再開しています。3月11日の地震発生後、全面復旧は4月21日(都市ガス5月3日、電力6月18日)LPガスは、復旧が早く、災害に強いエネルギーとして見直されています。

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(2)LPガスをご利用にあたっての注意事項

ガス器具使用時の注意事項

・必ずLPガス専用のガス器具をご使用ください。
・都市ガス用器具は使えません。
・スカーフやマフラー、袖口が広い服など着衣して調理等を行わないでください。着衣に燃え移って、ヤケドを負う恐れがあります。

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点火、消火は目で確認


・ガス器具のそばに物を置かないようにして、使用中はなるべくその場から離れないでください。
・ガスの炎は必ず「青い炎」でお使いください。赤い炎のときは不完全燃焼です。

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ガス栓はしっかりと

・お休み前やお出かけのときは、必ず器具栓や元栓を閉めてください。

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ガス器具のお手入れ

・ガスコンロの目づまりなどは、不完全燃焼の原因となります。ときどき器具ブラシなどで掃除してください。
・ガス器具の性能、正しい使用方法、お手入れの方法などは取扱説明書や警告表示などをご確認の上、正しくご使用くださるようお願いいたします。

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消費設備の管理責任はお客様にあります

・ガスメーターの出口からガス器具まで(メーターのない場合は容器からガス器具までです)は消費設備と呼ばれ、法律上の管理責任はお客様にあります。
・なお、容器からガスメータまでを供給設備といいます。供給設備はガス会社・販売店に管理責任があります。また、ガス会社・販売店は消費設備の調査を行います。

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点検・調査について

 お客様の安心・安全のため、液化石油ガス法に基づき、次の点検・調査を行います。
・容器交換の時に容器・調整器・バルブ・供給管などの外観点検を行う
・1年に1回以上、地下室等の配管のガスもれ調査などを行う
・4年に1回以上、調整器の機能点検、配管のガスもれ調査、ガス器具や給排気設備等の調査を行う
・その他LPガス設備全般についての点検・調査を行い安全を維持する

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こんなときはガス会社・販売店へご連絡ください。

・LPガスの設備工事や新しくガス器具を取り付けるとき、または取り外すとき。
・新築や改築、転居などで新しくLPガスを使用するとき、または使用を止めるとき。
・ガスが漏れたとき。
・ガスが使用できないとき。

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もしもガスが漏れたら(ガス臭いと気がついたとき、警報器がなったとき)

・タバコの火など、室内の火をすべて消して、器具や元栓をしっかり閉めてください。
・窓や扉を大きく開け、ガスを自然に追い出してください。
・換気扇のスイッチや他の電気のスイッチには絶対にふれないでください。

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換気に注意してCO中毒を防ぐ

・LPガスの燃焼には大量の空気が必要です。換気が十分に行われていないと、酸素不足の状態となり、排気ガスが室内に充満して不完全燃焼となり、CO中毒を起こす危険性があります。
ガス器具を使用するときは換気扇を回したり、窓を開けて常に換気に注意してください。

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地震や火災が起きたら

・地震のときは、火をすべて消し、器具栓と元栓を閉めます。揺れがおさまってから容器(ボンベ)のバルブも閉めてください。
・火災のときは、容器バルブを閉めて、消防署員などに容器の場所を知らせてください。
・容器バルブを閉めるときは、時計と同じ右回しです。

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こんなときガスが遮断されます

・どのご家庭にも、ガスの異常使用を監視する「マイコンメーター」が設置されています。万が一の異常時は、必要に応じてガスを遮断します。
・器具の消し忘れなど、ガスの使用時間が異常に長いとき
・使用しているガスの合計使用量が、急激に増加したとき
・ゴム管の抜けなどで、異常に大量のガスが流れたとき
・ガス漏れ警報器が作動したとき
・震度5度以上の地震が発生したとき(S型、SB型、E型、EB型)  
 

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ガスが遮断されたときの復帰方法

1. 器具栓や元栓を全て閉めます。
2. 復帰ボタンのキャップをはずします(S型・SB型・E型・EB型にはキャップはありません)。
3. 復帰ボタンを押して2分間待ちます(S型・SB型・E型・EB型は1分間)。
4. 異常がなければ元どおりガスが使えます。
5. 異常があり再度遮断したときは販売店に連絡してください。

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換気をしてください。


・ 使用中は換気に注意し、窓を開けるか、換気扇を回してください。
・ しめきった部屋で長時間使用すると空気中の酸素が減少し、不完全燃焼により一酸化炭素中毒の危険があります。
・ おふろへの給湯など、長時間連続使用しないでください。不完全燃焼を起こしやすく危険です。  
 

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異常時の見分け方と処置異常時の見分け方と処置

・ 換気が十分でもたびたび火が消える場合
・ 使用中に異臭や目にしみたりする場合
・ 炎が黄炎の場合

以上の場合は不完全燃焼を起こしているおそれがあります。
直ちに使用を中止し、ガス栓を閉め、ガス会社・販売店まで連絡しましょう。

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小型湯沸器をお持ちのお客様へ

・ 小型湯沸器をご使用の時は、必ず換気扇やレンジフードのファンを回すか、 窓を開けて排気が外に出るよう換気が行われるようにしてください。
・ 不完全燃焼防止装置のある場合でも、必ず換気を行ってください。
・ 「ご使用中にいやなにおいがする」「使用中にたびたび火が消える(たびたび火が消えたことがある)」「前面の塗装が部分的に黒く変色している」「炎があふれている」「ススが付着している」などの現象がある場合は、不完全燃焼を起こしている可能性があ りますので、ただちにご使用を中止し、お買い求めになったガス会社・販売店まで連絡しましょう。

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ガスストーブをお使いのお客様へ

・ ガスストーブをご使用の時は、30分に1回、1分間程度換気してください。
・ バーナー部分が傷んでいたり、ほこりが詰まると一酸化炭素が発生し、危険な状態になることがありますのでご注意ください。
・ 「ご使用中にいやなにおいがする」「燃焼部分が変形している」「炎があふれている」 「ススが付着している」などの現象がある場合は、不完全燃焼を起こしている可能性がありますので、ただちにご使用を中止し、おお買い求めになったガス会社・販売店まで連絡しましょう。

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ガスの着火がわるいとき

 ガスの着火がわるいときは、販売店に連絡して見てもらうようにします。自分で修理することは危険なのでやめましょう。  ガスの着火操作を何度も繰り返すと、付近にガスがたまってしまい、危険になるおそれがあります。また、繰り返し操作して着火したとしても、器具に不具合があって不完全燃焼を起こす場合もあります。不完全燃焼は、空気不足によってCO(一酸化炭素)が発生している状態をいい、CO中毒になると死にいたる場合も少なくありません。  正常なときの炎の色はきれいな青ですが、不完全燃焼のときは赤や黄色になり、炎も不揃いになります。

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容器(ボンベ)の屋内使用

 LPガスは屋内に持ち込んで使える容器もあります。8kg、5kg、3kg、2kgの各タイプについては、屋内で使えます。また、「カップリング付き」という、より安全性の高い新型容器なら10kgタイプでも、屋内で使えます。  8kg、5kgタイプは販売店で配管に接続して引き渡しを受けます。また、3kg、2kgタイプは安全に使用できるようにガス圧を調整する「調整器」を接続して引き渡しを受けます。

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ガス供給設備

LPガス容器(ボンベ)からガスメーター間にある円盤型の機器は調整器と呼ばれ、容器内の高い圧力ガスを、ガス機器に適した一定の低い圧力に調整する機能をもっています。これにより、安全で安定した燃焼が得られます。  「対震遮断器」は、近年はガスメーターに内蔵されており、震度5相当以上の強い揺れに襲われるとガスを自動的に止めます。

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停電のとき

 現在のガスコンロは、つまみをひねるとパチパチと自動的に発火して、ガスに着火する方式になっています(圧電着火式)。その発火に使う電気には、電池式、電池・家庭用電源(100V)併用式、家庭用電源式の3タイプがあり、市販されている製品はほとんどが電池で着火できるタイプになっています。
 電池は一般に1年程度で交換するようにします。また、停電のときは換気扇などが動かず、CO中毒事故が懸念されるので、窓を開けるなど換気に十分に注意して利用します。
 給湯器、暖房機器で家庭用電源を使用しているガス機器は、停電中は使用できません。ファンヒーター、FF式(強制給排気式)は家庭用電源を使用し、ガスストーブ(開放式)は使っていません。また、ガス給湯器は停電により出湯温度、ふろ温度などが初期設定値に戻るので、必ず設定値を確認するようにしましょう。
屋外に設置されているガス給湯器は、リモコンでコントロールするので家庭用電源を使用しており、停電のときは使えません。では、ガスを使用中に停電したら、どうしたらいいのでしょうか。ご安心ください、「停電時安全装置」が働いて、ガスを自動的に止めます。また、そのあと電気がきたときも、点火しません。
 ただし、設定が「購入時」に戻っているので、再度設定のうえ、いつものように操作して使います。  給湯器にはほか、不完全燃焼防止装置(CO事故防止)、立ち消え安全装置、空だき安全装置、過熱防止装置、凍結防止装置、過電流防止装置などが組み込まれ、安全・安心して使用できるよう配慮されています。

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