LPガス検定 こども検定 上級 受験の基礎知識

(1)LP(エルピー)ガスとは?

(2)LPガスを使うとき

(3)LPガスの利用

 

(1)LP(エルピー)ガスとは?

LPガスとは?

 「LPG(エルピージー)」「プロパンガス」と呼ばれているLPガス。LPガスはLPガス容器(ボンベ)に入れてみなさんのご家庭に運ばれています。
LPガスとは「液化石油(えきかせきゆ)ガス」(LPG)のことで、プロパンガスとブタンガスの2つのガスのことをいいます。
家庭用のガスにはプロパンガス、タクシーやガスライターの燃料(ねんりょう)には、ブタンガスが使われます。
 

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LPガスの利用

 日本の世帯数(せたいすう=家の数)は約5,196万世帯あります。このうちLPガスを使っているのは約半分の2,500万世帯。日本全国でLPガスを使っている家は約50%。たくさんの人が毎日使うエネルギーなのです。

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LPGとLNG(エルエヌジー)

 LPGは液化石油ガス、LNGは天然ガスを液体にしたものです。
 ふつう、ボンベで運ばれるのがLPGで、大きなガス管(導管※(どうかん))で運ばれるのが都市ガスと言われています。都市ガスの原料には天然ガスが多く使われています。でも、LPGは都市ガスの原料(げんりょう)にも使われていますし、導管で運ばれるLPGもあります。天然ガスを液体にした状態をLNGと言います。

※導管・・・大きなパイプ。ガスの導管は、ガスの通り道になります。

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LPガスがとどくまで

 日本で利用されるLPガスは、ほとんど外国からの輸入※(ゆにゅう)です。カタールやアラブ首長国連邦(UAE)などの中東(ちゅうとう)の国々やオーストラリアなどから輸入されます。これらを産ガス国(さんがすこく)と言います。
 LPガスは産ガス国から専用の船であるLPガスタンカーで運ばれ、国内の基地からタンクローリー車で国内の充填所※(じゅうてんしょ)に運ばれます。そこでLPガス容器(ボンベ)につめかえられて、トラックなどで家庭やビル、工場などに運ばれます。

※輸入・・・外国から仕入れること
※充填所・・・LPガスをボンベにつめかえて配送するところ
 

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LPガスの重さ

  LPガスは、空気より重いので、もれると低いところや、ものかげなどにたまります。LPガスはにおいも色もありません。
 もれたときにわかるようにタマネギがくさったようなニオイがあります。においをつけるように法律で決められているのです。

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LPガスは無害(むがい)

  LPガスは人体に無害(むがい)なので、吸(す)ってしまっても死亡(しぼう)することはありません。でも、わざと吸うことは危険なので絶対にやめましょう。

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LPガスはクリーンエネルギー

  LPガスは石油(せきゆ)・石炭(せきたん)・都市ガスと同様に化石燃料(かせきねんりょう)ですが、燃やすときに発生し、地球の温暖化を招くCO2(二酸化炭素〈にさんかたんそ〉=炭酸〈たんさん〉)ガスの発生量(はっせいりょう)は、天然ガスと同じように少ないクリーンなエネルギーです。    

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LPガスは災害(さいがい) に強い!

 大地震(だいじしん)などで電気(でんき)や都市ガスが止まったときも、持ち運びができるLPガスは、すぐに使えるので便利(べんり)です。災害時(さいがいじ)は多くの避難所(ひなんじょ)でLPガスを使います。 東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)では、多くの避難所や仮設住宅(かせつじゅうたく)でもたくさんの人たちの役にたっています。さらに、災害時緊急避難用飲料水製造装置(さいがいじきんきゅうひなんよういんりょうすいせいぞうそうち)をガスで動かせば、川や海、雨水からでも飲み水を作ることができます。  

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(2)LPガスを使うとき

コンロなどのガス器具

・こどもだけで火を使うのは危険(きけん)です。コンロを使用するときは大人の家族がいるときにしましょう。
・LPガス用と都市ガス用のガス器具(きぐ)は違うので、必ずLPガス専用(せんよう)のガス器具を使わなければなりません。

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点火、消火は目で確認

・ガス器具のそばに物を置かないようにします。ガス器具を使っているときは、器具のそばから離(はな)れてはいけません。
・ガスの炎(ほのお)は「青い炎」で使いましょう。赤い炎のときは危険(きけん)です。LPガスが正しく燃えているときの色は、きれいな青色です。オレンジ色や赤っぽい色は、燃えるときに必要な空気(酸素(さんそ))が足りないためです(「不完全燃焼(ふかんぜんねんしょう)」と言います)。
 

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ガス栓(せん)はしっかりと

・おやすみ前やお出かけのときは、ガス器具の栓や元栓(もとせん)を閉めてください。

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ガス器具のお手入れ

・ガスコンロが目づまりしないように、ときどき器具ブラシなどでそうじしましょう。

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ガスくさいとき

 ガスのニオイに気がついたときやガス警報器(けいほうき)がなったときは、すぐにまわりの人に知らせ、次のことをします。
・家じゅうの火をすべて消して、器具や元栓をしっかり閉めます。
・窓(まど)やドアを大きく開けます。
・換気扇(かんきせん)をまわすなど、電気のスイッチには絶対にふれてはいけません。

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ガスの使用中は換気(かんき)に注意しましょう

・LPガスの燃焼にはたくさんの空気が必要です。
・ガス器具を使用するときは換気扇をまわしたり、ときどき窓を開けて換気※してください。
・ガスくさいと気がついたあとから換気扇をまわしてはいけません(電気スイッチから火花が出てガスに火がつく危険があります)。

※換気・・・部屋の空気を入れ換えること

 

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こんなときはガスメーターがガスを止めます

・家の玄関の外や外壁にあるガスメーターは「マイコンメーター」と呼ばれています。マイコンメーターは、ガスの異常時(いじょうじ)にガスを止めてくれる器械(きかい)です。
・器具の消し忘れ
・ゴム管の抜けなどで、急に大量のガスが流(なが)れたとき
・ガス警報器(けいほうき)がなったとき(マイコンメーターとガス警報器がつながっている場合)
・大きな地震が発生したとき
 

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ガスの異常(いじょう)を感じたら

 こんなときは、すぐにガスをとめ、元栓を閉め、ガス会社・販売店(はんばいてん)まで連絡(れんらく)しましょう。
・たびたび火が消える
・へんなニオイがしたり目にしみたりする
・炎(ほのお)が赤や黄色で燃えているとき

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使い終わったカセットボンベ

 カセットボンベは、中味を使い切ったうえで、安全のために屋外で穴を開け、ガス抜きをします。そして、地域で決められている分別方法で、ごみ集積所に出すようにします。

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(3)LPガスの利用

家庭での利用

・LPガスは家の中で、料理をつくるコンロやお風呂のお湯をわかすことのほか、暖房(だんぼう)などで使われています。
・最新型(さいしんがた)のLPガスコンロは、「Si(エスアイ)センサーコンロ」といいます。省(しょう)エネルギーでとても便利で安全、それに掃除しやすいコンロです。
・お湯をわかす器具は湯沸器(ゆわかしき)や給湯器(きゅうとうき)と言います。最新型のLPガス給湯器は「エコジョーズ」といい、省エネルギーでとても便利で安全な器具です。
・LPガスは冷房(れいぼう)や発電(はつでん)でも使うことができます。家庭用燃料電池(ねんりょうでんち)のエネファームは、ガスで発電し、そのときの熱でお湯もつくります。

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LPガスの冷暖房(れいだんぼう)

 LPガスはビルなどの冷房や発電にも使われています。
・ガスエンジンヒートポンプ(GHP)はガスエンジンで動くシステムです。LPガスを使って電気エアコンのように冷暖房をします。また、発電ができるタイプもあります。快適で費用も安いガスヒーポンは、家庭はもちろん、お店やビル、ホテルなどさまざまな場所ではたらいています。
・燃料電池(ねんりょうでんち)はLPガスから電気とお湯を作ります。
・災害などで電気が止まってもLPガスがあれば発電できるので、病院(びょういん)などで利用されています。
・LPガスの発電システムでは、ヤカンをコンロにかけなくてもお湯も作ることができます。この小さな発電所システムを一般家庭用燃料電池といいます。電力会社からは足りない電気だけ買えばよいので、電気料金も安くなります。

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LPガスの用途(ようと)

・LPガスはいろいろな工場で利用されています。とくに強い火力を必要とする工場で役立っています。
・LPガスは炭や重油などとは違い、燃やした後にススや灰分を出さないので、LPガスを利用する工場は環境(かんきょう)にやさしいのです。

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自動車用のLPガス

・タクシーの多くは、ガソリンよりお金がかからないLPガス(ブタンガス)を利用しています。このガスは、100円ライターと同じガスです。
・LPガスはガソリンとちがい、硫黄(いおう)分がほとんどなく、窒素(ちっそ)も含まれていません。ススや灰分を出さないので、LPガスの自動車は環境(かんきょう)にやさしいのです。
・タクシーだけでなく、バス、トラック、フォークリフト、清掃車などいろいろな車の燃料に使われています。

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快適なLPガスのキッチン

 クリーンで火力が強いLPガスは、たくさんのレストランで使われています。ガスの火を多く使うレストランのキッチンは、いつも暑いのでは?と思うかもしれませんが、LPガスのキッチンは快適です。
・「涼厨(すずちゅう)」というキッチン機器なら、コンロから出る熱い空気をさえぎり、外へ出すので、いつでも快適に調理できます。「涼厨」には麺ゆで機やお釜、オーブン、揚げ物専用の機械などのシリーズがあります。

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◎詳しくは「わたしの街のLPガス」
◎参考資料「未来からの宿題」(全国LPガス協会)は小学校の図書館にあります。

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